スクートのマイルはANAマイル・JALマイルに加算できるのか?【2024年6月更新】
格安航空会社の出現によって国内の空の旅は以前に比べるとかなりリーズナブルになりましたが、海外でも同様に格安航空券を利用して旅行することが可能です。なかでもシンガポールを中心としてタイや台湾に就航しているスクートは、日本からも使い勝手のよい便を運航しているところから注目を集めています。そこで以下では、このスクートの概要について見たうえで、そのマイルプログラムについて詳しく解説することにします。
この記事の目次
スクートとはどのような航空会社か?
スクートはシンガポールのナショナルフラッグ・キャリアとして世界中で高い知名度を有するシンガポール航空のグループ会社です。正式な会社名は、スクート・タイガーエア・プライベート・リミテッドといい、スクートは同社のブランド名となっています。誕生したのは2011年のことで、シンガポール航空が出資して、長距離路線を運航する格安航空会社として設立されました。なお、シンガポール航空グループには、すでにタイガーエアという短距離路線を専門とする格安航空会社が存在していたため、スクートの誕生により、短距離はタイガーエア、長距離はスクートという棲み分けがなされていました。しかし、その後2016年11月に両者のブランドは統合され、スクートに一本化されています。日本へは2012年に台湾・成田便、2015年にタイ・大阪便などを就航させており、これによりこれまでよりもずっと安い飛行機代で東南アジアの人気の観光地へ行くことができるようになったのです。
スクートのマイル制度とマイルの貯め方とは?
スクートでは、他の航空会社では一般的となっている、航空会社独自のマイレージプログラムは有していません。その代わりに、シンガポール航空の子会社であることから、同社が提供しているクリスフライヤー・マイルを貯めることが可能となっています。
フライトマイルの貯め方
スクートの運航便に搭乗した場合のマイルの獲得数は、2018年4月から加算されるマイル数の計算方法が「運賃・路線によるマイル数」から「支払い金額制」に変更になりました。公式サイトで購入した航空券が対象となり、1シンガポールドルにつき1マイル貯まり、路線・座席クラス・運賃タイプに関係なく、支払い金額に応じて加算マイル数が決まります。公式サイトから航空券を購入する時にクリスフライヤーの会員番号とパスワードでログインをすれば搭乗後、自動でマイルが加算されます。ログインしない状態でも、搭乗日から6か月以内なら事後加算することができます。他の航空券予約サイトで購入した航空券や、パックツアーでスクート航空に乗る場合は、予約クラス別のマイル加算率と飛行距離で計算されます。
その他のマイルの貯め方
次に、スクート提携航空会社を搭乗してマイルを貯めることができます。マイル獲得ができる提携航空会社はシンガポール航空、ヴァージン・オーストラリアでのみ可能です。ヴァージンオーストラリア搭乗分のみマイルは事後登録で獲得ができるので注意が必要です。その他の提携航空会社でのマイル獲得不可能となっています。そして、その他の貯め方として提携クレジットカードを入手して、それを使って各種支払いを行いマイルを貯めるというものが一般的ですが、しかしながら、格安航空会社のスクートでは提携クレジットカードは発行されていないことから、この方法は基本的に取り得ないと考えておいてよいでしょう。ただし、シンガポール航空では、クリスフライヤー JCBカードやクリスフライヤー VISAカード、アメックス・スカイトラベラーなどを発行していることから、クリスフライヤー・マイルを貯めたいということであれば、そちらを使うようにするとよいでしょう。
スクートのマイルの使い方
スクートのフライトに搭乗することで獲得することができるクリスフライヤー・マイルは、スクートの航空券を購入する際の支払いに充当することができます。最低必要マイル数は1,050マイルで、最大利用マイル数はご自身のクリスフライヤーに溜まっている全てのマイルで購入が可能です。航空会社によっては、必要マイルを貯めないと特典航空券に交換することができないということも珍しくありませんが、非常に利便性は高いと言えるのではないでしょうか。現金での支払い分は、クレジットまたはデビットカードで支払いなら、1ドルに対して1クリスフライヤー・マイルが獲得できます。他にも、当然ながらシンガポール航空の特典航空券に引き換えることができますし、シンガポール航空が厳選した商品との交換や、同社が提携しているホテルやレンタカーなどの支払にも充当することができるようになっています。
スクートでANAマイルやJALマイルは加算できるのか?
では、ここからはスクートのフライトを利用した場合に、ANAマイルやJALマイルを加算することができるのかどうかについて見ておくことにしましょう。一般的に、他社のマイルに加算するためには、二つの航空会社が同じ航空連合に加盟していたり、両者間で業務提携が結ばれていることが前提となることがほとんどです。この点、ANAマイルを提供している全日空はスターアライアンス、JALマイルを提供している日本航空はワンワールドという航空連合にそれぞれ加盟しているのに対し、格安航空会社であるスクートはいずれの航空連合にも加盟していません。また、スクートと全日空や日本航空との間では、特段の業務提携も存在していないことから、結論を言うと残念ながらスクートのフライトを利用した場合にANAマイルやJALマイルに加算することはできません。なお、スクートの親会社であるシンガポール航空は、スターアライアンスに加盟していることから、同社のフライトを利用した場合には、ANAマイルに換算することが可能となっています。
スクートのマイレージ制度を使いこなそう
以上で見てきたように、スクートは同社独自のマイレージ制度は有していないものの、親会社であるシンガポール航空の非常に使い勝手のよいクリスフライヤー・マイルを利用可能であることから、これを上手に使うことができれば、より空の旅を快適なものにすることができます。特に、航空券代の支払いにマイルを充当することができますので、ある程度まとまったマイルが貯まっていれば、ほとんど飛行機代を負担することなく台湾やタイといった人気の観光地に行くことができるようになるのです。そのためには、ここまでの説明をしっかりと理解して、無駄なくマイルを貯めたり、利用したりできるようになっておくことが肝要です。